人々から「父」と慕われ、
愛され、敬われてきた、
偉大なるタイの国王様、
プミポン国王様が、昨日崩御されました。
お身体の調子が思わしくないと報道されてから、
連日多くのタイの方が国王様のいる病院を訪れ、
健康を祈願し、
王様の健康を祈願する黄色とピンクのシャツを着て、
本当に本当に多くの方々が、
国王様の永きに渡る在位を、
心から願ってやみませんでした。
そんな彼らの気配を身近に感じていた、
在タイの外国人である私達も、
今回の事に、とてもとても、心を傷めています。
それはきっと、
大好きなタイの国の方々が悲しんでいる姿が、
私達外国人にとっても辛いから。
そして在タイの長い方になると、
今までのクーデターや、
赤シャツ黄シャツ騒動のときに、
王様が仲裁に入ってくれてホッとし、
戻りつつある平和に対して、
「王様、ありがとう。」
そう心の中で国王様に感謝した外国人も、
たくさんいたのではないでしょうか。
私個人としては、僭越ながら、
国王様とは誕生日が同じ12月5日ということもあり、
とても親しみを感じていました。
国王様にも、この国にも。
毎年盛大にお祝いされる、
国王様のお誕生日。
その日は「父の日」でもあり、
町中が王様カラーの黄色に染まり、
花火が打ち上げられ、
黄色いキャンドルを持った人々が整列し、
王様がテレビを通じて直接国民へお言葉を伝えて下さり、
タイ中が一体となってお誕生日をお祝いします。
それは、私にとっても、
来タイして以来の特別な、
お誕生日の過ごし方でした。
国王様崩御の報と共に、
タイの人も大好きなfacebookのタイムラインは、
一斉にモノクロになりました。
私も、いてもたってもいられず、
顔写真のない、
モノクロのプロフィール写真へ変更しました。
タイの方は、写真すら使わず、
多くの方が、ただの真っ黒の画像を貼り付けています。
それは、タイの人々の心情を表しているようです。
きっと1ヶ月はこれが続くのでしょう。
私は要安静なので、
外の様子はわかりませんが、
黒い服の人ばかりなのではないでしょうか。
公務員は1年間は喪に服す通達が出されていますが、
この1年を外国人は「長い」と感じるかもしれません。
でも王様が貢献してくださった70年という長い在位に対しては、
この1年など長くはない、
そうタイの人は感じているかも知れません。
悲しい事があったとき。
私達先進国の人間は、すぐさま、
「前を向ける方法」を考えるかも知れません。
乗り越えられたその先のことに、
目を向けるかも知れません。
だけど…
「喪に服す」。
これは、
「悲しみを悲しみとして、
キチンと感じきる」
ということでしょう。
私は、タイの人のこの心の在り方が、
とてもとても好きです。
悲しみを感じ切らぬまま、
前を向く事はできません。
次に進む事は、できません。
湧き出てきた「感情」は、
感じることでしか、
消化できないのだから。
その意味でも、
国民が喪に服す1ヶ月と、
公務員が喪に服す1年。
今回タイの人々が感じている喪失感に対して、
決して長くないものだろうと思います。
私はそれを、
カォチャイ「理解する」
↓
カォ「入れる」➕ チャイ「心」
心に入れておきたいな、と思います。
きっとこれから1ヶ月は、
彼らはfacebookで面白い投稿を見つけても、
「いいね!」はできないと思います。
外の様子はよくわかりませんが、
きっと同じなんじゃないかな。
しばらくはモノクロの日々が続くことになりそうですが、
それがこの国の人々にとって、
一番前向きになっていける方法なのだと、
私たち在タイの外国人は、
理解しておきたいと思います。
そしてタイの人々と共に、
偉大な王様を偲び、
ご冥福をお祈りしたいと思います。